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警備員の新任教育は20時間以上で日数は会社次第|研修手当の記載も集計

2026年10月18日 公開/2026年10月31日 更新 文:警備リスト編集部

警備員の新任教育は、警備業法施行規則第38条第4項で「20時間以上」と定められており、何日で行うかは会社が決めます。この記事では、経験者の教育時間が短くなる条件と、警備リスト掲載求人(2026年10月18日時点・503件)に書かれた研修日数・研修手当の額を説明します。あわせて、応募前に確認したい点もまとめます。

警備員の新任教育は法律で「20時間以上」と決まっている

警備業法第21条第2項と施行規則第38条が定める教育の義務

警備員として働き始める前に受ける研修は、一般に「新任教育」や「新任研修」と呼ばれます。これは会社が任意で行うサービスではなく、法律で義務づけられたものです。警備業法第21条第2項は、警備業者は警備員に教育を行わなければならないと定めています。教育の中身は、警備業法施行規則第38条第1項で基本教育と業務別教育などに分けられています。

基本教育は、どの区分の警備業務にも共通する基礎です。業務別教育は、これから就く業務に合わせた内容です。警備業務は警備業法第2条第1項で1号(施設警備など)・2号(交通誘導・雑踏警備)・3号(輸送警備)・4号(身辺警護)に分かれており、交通誘導に就く人なら2号の業務別教育を受ける、という関係です。

なお、警備業法第14条により18歳未満の人は警備員になれず、新任教育を受ける前提として18歳以上であることが必要です。年齢のほか、破産して復権していない人や、一定の刑を受けてから5年たっていない人など、同法第3条第1号〜第7号に当たる人も警備員になれません。年齢の上限は法律に書かれていません。

20時間・13時間・7時間の違いと、教育が不要になる人

新任教育の時間は、警備業法施行規則第38条第4項の表で決まっています。経験の有無で必要な時間が変わるので、自分がどれに当たるかを先に確認しておくと、研修の日数を見積もりやすくなります。

  • 未経験の人(原則):基本教育と業務別教育で20時間以上
  • 最近3年間に同じ区分の警備業務に通算1年以上従事した人:7時間以上
  • 最近3年間に別の区分の警備業務に通算1年以上従事した人:13時間以上
  • 警察官の職に通算1年以上あった人:13時間以上
  • 検定の合格証明書を持ち、その種別の業務に就く人:新任教育の対象外

たとえば、以前に施設警備を1年以上していた人が交通誘導の会社に入る場合は「別の区分」なので13時間以上です。「最近3年間」「通算1年以上」という条件がそろわなければ、経験者でも20時間以上の扱いになります。経験の期間があいまいな場合は、応募の段階で会社に伝えて判断してもらうのが確実です。

「3日間」は法律で決まった数字ではない

求人や口コミで「研修は3日間」とよく見かけますが、3日間は法律の定めではありません。法律が求めているのは「20時間以上」という時間だけで、それを何日に分けるかは会社が決めます。1日の研修時間が長ければ短い日数で終わり、短ければ日数が増えます。

また、古い記事などでは、現在より長い教育時間が書かれていることがあります。新任教育の時間は2019年(令和元年)の施行規則改正で見直されており、現在は20時間以上です。古い記事やまとめを読んで「長くて大変そうだ」と身構える必要はありません。

研修の受け方にも幅があり、警備業法施行規則第38条第2項の表の備考により、オンライン(電気通信回線を使う講義)も一定の条件で認められています。ただし、全部をオンラインで受けられるか、どこまで会社に出向くかは会社次第です。自宅で受けられると期待して応募するのではなく、受講方法を会社に確かめておくと安心です。

求人には研修が何日・何時間と書かれているか(掲載求人503件の集計)

「研修3日間」237件・「20時間」240件という記載

警備リストに掲載中の求人(2026年10月18日時点・503件)の記載では、研修について書いた求人のうち「研修3日間」と書いた求人が237件、「4日間」が11件、研修の近くに「20時間」と書いた求人が240件ありました。同じ求人に日数と時間の両方を書いている場合もあるため、件数を足し合わせることはできません。

この結果から分かるのは、掲載求人では「3日間」という書き方が多く、4日間は少数だということです。法定の20時間以上を3日に分けて行う会社が多いと読めますが、1日あたり何時間で、どこまでが座学か実技かは求人の文面からは分かりません。

読者として押さえておきたいのは、求人に「3日間」とあっても、それはその会社の予定だという点です。経験者で13時間や7時間の扱いになれば短くなりますし、会社の都合で日程が分かれることもあります。勤務を始められる日を逆算したい人は、研修の日数だけでなく「何時から何時まで」「連続した日か」も確認しておくと、予定が立てやすくなります。研修の日程を含め、応募から初日までの段取りを順に確認したい人は、警備員の応募から初日までの流れも読んでおくと見通しが立ちます。

この集計は掲載求人の偏りを強く受けている

ここで紹介している数字は、警備リストに掲載されている求人の文面を数えたもので、全国の警備会社の実態を調べたものではありません。掲載元と地域、業務の区分に大きな偏りがあります。

  • 掲載元:503件のうち401件(約8割)は求人広告会社1社を通した募集(その先の警備会社・営業所は68か所)、100件は警備会社1社の各支社、その他2件
  • 地域:東京都151件・埼玉県108件・千葉県69件・神奈川県66件・新潟県53件で全体の約9割。関西・東海・九州などはほぼありません
  • 区分:2号(交通誘導)463件・1号(施設警備)16件・3号と4号は0件・不明24件

つまり、この集計は「関東と新潟の交通誘導の求人、それも特定の掲載元が多い求人の書き方」をまとめたものです。求人広告会社1社の書式に沿った記載が多いため、研修日数の書き方が似通っている可能性もあります。数字は傾向をつかむ参考にとどめ、個別の会社の条件は必ずその求人で確認してください。

このデータで言えること・言えないこと

集計の限界をはっきりさせておくと、数字の読み違いを防げます。言えることと言えないことを分けて整理します。

  • 言えること:掲載求人のうち研修日数を書いたものでは「3日間」の記載が多いこと。「20時間」と時間で書く求人も多いこと。研修手当の額を書いた求人にどんな金額が並ぶか
  • 言えないこと:全国の警備会社の研修日数や研修手当の相場。施設警備・輸送警備・身辺警護の研修の実態。関西・東海・九州などの傾向
  • 言えないこと:実際に支払われた研修手当の額。求人の記載と実際の運用が一致しているかどうか
  • 言えないこと:研修の難しさ、途中で辞める人の割合、採用されやすさ。応募の数が開設以来ほとんど無いため、応募者の傾向や面接の通過率は分かりません

「多くの求人がこう書いている」は事実として示せますが、「警備会社ならどこでもこうだ」とは言えません。求人の記載を比べる材料として使い、最終的な条件は会社から直接聞いて判断してください。

新任研修の手当はいくら?求人に書かれた研修手当の額

研修手当の額を書いた232件の中央値は30,720円

警備リストに掲載中の求人(2026年10月18日時点・503件)のうち、研修手当の額を書いた求人は232件で、すべて求人広告会社経由の求人でした。記載額の中央値は30,720円、範囲は20,660〜33,900円です。これは求人に書かれた金額の集計であり、実際の支給額ではありません。

多く見られた金額は次のとおりです。

  • 30,720円(88件・「24時間で30,720円」の書き方)
  • 30,000円(42件・3日間)
  • 31,800円(36件・3日間)
  • 25,600円(22件・20時間)
  • 33,900円(14件・3日間)
  • 26,400円(11件)

232件はすべて同じ求人広告会社を通した求人なので、この金額の分布はその掲載元の求人に限った話です。警備会社1社の各支社の求人などは、研修手当の額を書いていないものが多く、この集計には入っていません。研修手当の額が求人に無い場合でも、無給という意味とは限らないので、会社に確認するのが確実です。

25,600円・30,720円は「時間×1,280円」で計算が合う

多く見られた金額のうち、2つは計算で中身を確かめられます。25,600円は20時間×1,280円、30,720円は24時間×1,280円です。1,280円は、東京都の2026年度の地域別最低賃金と同じ額です。

このことから、研修手当を「最低賃金×研修時間」で設定していると読める求人があります。ただし、会社がどういう意図でこの額にしたのかは求人からは分からないので、断定はできません。また、地域別最低賃金は都道府県ごとに違い、2026年度は各地で順次引き上げられています。東京都以外の勤務地なら、その地域の最低賃金が基準になります。

読者にとっての判断基準はシンプルです。研修手当を研修時間で割ったとき、勤務地の最低賃金を下回っていないかを確かめてください。研修中・見習い中でも最低賃金は適用されます。研修の時間数と手当の額の両方が書かれていれば、自分で計算して確認できます。

研修は労働時間:無給と書いた求人は2件、書いていない求人もある

会社の指示で受ける研修は、原則として労働時間にあたります。厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(2017年)は、参加が業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講時間は労働時間であるとしています。新任教育は警備業法で会社に義務づけられた教育なので、受けなければ警備業務に就けません。無給の研修を当然のこととして受け入れる必要はありません。

警備リストの掲載求人(2026年10月18日時点・503件)では、研修が無給と書いた求人は2件だけでした。ただし、研修中の給与について何も書いていない求人もあるため、「無給の会社は無い」とは言えません。

確認するときは、次の点を聞いておくと行き違いが減ります。

  • 研修手当の額と、時給・日給どちらの計算か
  • 支払いの時期(初回の給料と一緒か、別か)
  • 研修後すぐに辞めた場合の扱い

なお、辞めたら研修費を返せといった違約金や損害賠償額をあらかじめ決めることは労働基準法第16条で禁止されています。

新任研修は大変?未経験・シニアが知っておきたい中身と準備

基本教育と業務別教育で学ぶこと

新任教育の内容は、基本教育と業務別教育に分かれます。細かいカリキュラムは会社や区分ごとに異なるため、ここでは一般的な考え方を説明します。

基本教育では、警備業法などの関係する法令や、警備員として守るべきこと、事故が起きたときの対応など、どの業務にも共通する基礎を学びます。警備員は警察官のような特別な権限を持たないので、「できること・できないこと」を理解するのが大切な柱です。

業務別教育では、就く業務に合わせた内容を学びます。交通誘導であれば、誘導の合図の出し方、車両や歩行者への声かけ、工事現場での立ち位置などが中心になるのが一般的です。施設警備であれば、巡回や出入りの管理などが対象になります。

未経験の人が不安に思いやすい「試験に落ちたらどうなるか」については、法律上、新任教育は受講することが求められるもので、合否の試験が条文に定められているわけではありません。理解度の確認を行う会社はありますが、扱いは会社ごとに異なります。

座学と実技、体力面で気をつけること

研修は座学だけでなく、合図の動作などの実技を含むことが一般的です。机に向かう時間が長い日もあれば、立って体を動かす時間が続く日もあります。どちらの比重が大きいかは会社によって違うため、きつさを一律には言えません。

シニアの方や、しばらく仕事から離れていた方が気をつけたいのは次のような点です。

  • 長時間座る日は、腰や首がこわばりやすいので休憩中に体を伸ばす
  • 実技で立ち続ける日は、歩き慣れた靴で参加できるか事前に確認する
  • 聞き取りにくい・見えにくい場合は、遠慮せず前の席を希望する
  • 持病の薬がある人は研修中も持参し、必要なら会社に伝えておく

研修自体は現場の勤務より体への負担が軽いことが多いものの、現場では夏の暑さや冬の寒さ、トイレの場所が限られるといった厳しさがあります。研修中に現場の休憩の取り方やトイレの事情を質問しておくと、働き始めてからの戸惑いが減ります。分からないことを聞くのは評価を下げる行為ではなく、安全のために必要な確認です。

研修当日の服装・持ち物は事前に確認する

警備業法第16条により、警備業務を行うときは、警察官などの制服と色・型式・標章で明確に区別できる服装を用いなければならず、会社は服装の色や型式を公安委員会に届け出ます。そのため、制服は会社が用意して貸与するのが一般的です。警備リストの掲載求人(2026年10月18日時点・503件)でも、制服の貸与を書いた求人は294件(58%)ありました。

ただし、研修の初日に制服を着るのか、私服で参加して研修中に受け取るのかは会社によって違います。研修当日に向けて確認しておきたい項目は次のとおりです。

  • 研修会場の場所と集合時刻
  • 当日の服装(私服でよいか、動きやすい服装の指定があるか)
  • 筆記用具・印鑑・本人確認書類など持参するもの
  • 給与振込先の口座情報が必要か
  • 昼食を持参するか、近くで買えるか

研修は警備員としての最初の勤務と考え、遅刻しない時間に到着するよう移動経路を前日に確かめておくと安心です。

応募前に会社へ確認したいチェックリスト

求人の文面だけでは、研修の条件が分からないことがよくあります。応募するときや面接のときに、次の点を確認しておくと比較しやすくなります。

  • 研修は何日で、1日何時から何時までか
  • 経験者の場合、20時間・13時間・7時間のどれになるか
  • 研修手当の額と支払い時期、研修時間で割ると最低賃金以上か
  • オンラインで受けられる部分があるか
  • 研修後、最初の現場はいつ頃から入れるか
  • 日払い・週払いは研修手当にも使えるか

研修日数や手当は、求人を比べるうえで見落としやすい項目です。警備リストでは、都道府県や「交通誘導」「施設警備」「夜勤」「日払い」「シニア」「未経験」といった条件から求人を探せるので、候補をいくつか並べて研修の記載を見比べてみてください。警備リストは求人情報を掲載しているだけで、応募や条件の確認は各求人の応募先とご自身で行う形になります。疑問が残る場合は、遠慮せず応募先に質問して納得してから進めてください。

まとめ

警備員の新任教育は、警備業法施行規則第38条第4項で原則20時間以上と決まっており、経験者は条件によって13時間以上や7時間以上に短くなります。「3日間」は法律の定めではなく、20時間以上を何日で行うかは会社が決めます。警備リストに掲載中の求人(2026年10月18日時点・503件)では「研修3日間」の記載が237件あり、研修手当の額を書いた232件の中央値は30,720円でした。ただし、この集計は求人広告会社1社経由の求人が約8割を占め、関東と新潟の交通誘導が中心で、実際の支給額でもありません。研修は原則として労働時間で、最低賃金も適用されます。日数・時間・手当・支払い時期を応募前に確認し、納得できる会社を選んでください。

よくある質問

Q. 警備員の新任教育は何時間受ける必要がありますか?

A. 警備業法施行規則第38条第4項により、原則は基本教育と業務別教育で20時間以上です。最近3年間に同じ区分の警備業務に通算1年以上従事した人は7時間以上、別の区分なら13時間以上です。検定の合格証明書を持ち、その種別の業務に就く人は対象外です。

Q. 新任研修は必ず3日間ですか?

A. 3日間は法律の定めではありません。法律が求めるのは20時間以上という時間で、何日で行うかは会社が決めます。警備リストに掲載中の求人(2026年10月18日時点・503件)では「研修3日間」の記載が237件と多いものの、会社ごとに確認が必要です。

Q. 研修中にお金はもらえますか?

A. 会社の指示で受ける研修は原則として労働時間にあたり、最低賃金も適用されます。警備リストの掲載求人(2026年10月18日時点)で研修手当の額を書いた232件の中央値は30,720円でしたが、これは求人の記載の集計で実際の支給額ではありません。支払いの有無と時期は応募先に確認してください。

Q. 研修はオンラインで受けられますか?

A. 警備業法施行規則第38条第2項の表の備考により、電気通信回線を使う講義も一定の条件で認められています。ただし、どこまでオンラインで受けられるかは会社によって異なるため、応募時に確認してください。

Q. 以前に警備の仕事をしていた場合、研修は短くなりますか?

A. 最近3年間に同じ区分の警備業務に通算1年以上従事していれば7時間以上、別の区分であれば13時間以上になります。条件を満たさない場合は未経験者と同じ20時間以上です。経験の期間を応募時に伝えて判断してもらうと確実です。

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記事中の求人の数字は、警備リストに掲載中の求人の記載を集計したもので、実際の支給額や全国の平均ではありません。法令の内容は記事の公開日時点のものです。