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警備員は底辺ではない|そう言われる理由と夏・冬・体力のきつい実態

2026年10月27日 公開/2026年10月30日 更新 文:警備リスト編集部

警備員は「底辺」の仕事ではありません。警備業法で18歳以上と決められ、20時間以上の教育を受けてから就く、事故を防ぐための職業です。この記事では、底辺と言われる理由、夏・冬・体力のきつさ、トイレや年齢の不安を、掲載求人の集計と条文をもとに整理します。

警備員が「底辺」と言われる3つの理由

「底辺」という言葉は、職業の価値を表すものではありません。外から見たイメージから生まれた呼び方です。ここでは、なぜそう言われるのかを「入りやすさ」「給料」「見え方」の3点に分けて見ていきます。

数字は、警備リストに掲載中の求人(2026年10月18日時点・503件)の記載をもとにしています。この503件には偏りがあります。

  • 約8割(401件)は求人広告会社1社を通した募集で、100件は警備会社1社の各支社の求人
  • 地域は東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・新潟県で全体の約9割
  • 号区分はほぼ交通誘導(2号463件)

この偏りを前提に読んでください。

未経験・年齢不問で入りやすいから

警備員が底辺と言われる一番の背景は、入口の広さです。掲載求人(2026年10月18日時点・503件)の記載では、「未経験可」が380件(76%)、「シニア可」が347件(69%)でした。資格や職歴を問わない求人が多いため、「誰でもできる仕事」と見られやすくなっています。

ただし、入りやすいことと仕事が簡単なことは別の話です。法律では次のように定められています。

  • 警備業法第14条:18歳未満の者や、第3条第1号〜第7号(破産して復権していない人など)に当たる者は警備員になれない
  • 警備業法第21条第2項:警備業者は警備員に教育を行わなければならない

つまり法律は、未経験の人を受け入れて教育で育てる仕組みを前提にしています。入口が広いのは、研修で人を育てる業界だからとも言えます。

年齢を重ねてから仕事を探す人や、ブランクがある人にとって、この入口の広さは不利な点ではなく利点です。周囲の評判よりも、自分が続けられる条件かどうかで判断するのが現実的です。

給料が日給制で大きく上がりにくいから

掲載求人(2026年10月18日時点)のうち、日給で書かれた484件の給与欄の下限額は次のとおりでした。

  • 中央値:10,800円
  • 中央の半分:10,600〜11,500円
  • 下位1割:10,000円、上位1割:13,000円

これは給与欄の下限・上限の集計であり、実際の支給額や全国の相場ではありません。

日給制は働いた日の分だけ支払われます。雨などで工事が中止になり現場が無い日は、収入にならない場合があります。ただし、勤務が決まっていた日に会社の都合で休みになった場合は、平均賃金の6割以上の休業手当が支払われる決まりです(労働基準法第26条)。昇給の道筋も見えにくいため、「稼げない仕事」と見られがちです。

一方で、日勤と夜勤の両方の日給を書いた208件(すべて求人広告会社経由)では、夜勤の中央値が13,845円で、日勤の11,360円を上回っていました。夜勤の方が平均2,175円高い記載です。働き方の選び方によって、収入の組み立ては変わります。

このデータで言えること・言えないことは次のとおりです。

  • 言えること:関東と新潟の交通誘導の求人に、どんな日給が書かれているか
  • 言えないこと:施設警備(1号は16件)、輸送警備・身辺警護(3号・4号は0件)の給料
  • 言えないこと:関東と新潟以外の地域の水準、実際の手取り額、応募者の傾向や採用率

「立っているだけ」に見えるから

交通誘導の警備員は、外からは旗や誘導灯を持って立っているだけに見えることがあります。しかし警備業法第2条第1項は、2号業務を「人や車両が雑踏する場所や通行に危険のある場所での負傷等の事故の警戒・防止」と位置づけています。

実際の現場では、次のような場面で周囲を見続けます。一瞬の判断ミスが事故につながる仕事です。

  • 工事車両が出入りするときの誘導
  • 片側交互通行での車の流れの調整
  • 歩行者や自転車の安全確保

また警備業法第16条により、警備員は警察官などの制服と色・型式・標章で明確に区別できる服装を用いなければならず、会社はその服装を公安委員会に届け出ます。制服を着て立つこと自体が法律で管理されている、責任のある立場です。

「何もしていないように見える」のは、事故が起きていないことの裏返しでもあります。ただ、通行人やドライバーに理解されにくい場面があるのも事実です。その受け止め方は後の節で触れます。

警備員が「底辺」とは言い切れない理由

イメージとは別に、制度や求人の条件を見ると、働く人を守る仕組みや選択肢が用意されていることが分かります。

法律で20時間以上の教育が決まっている

新たに警備業務に就く人には、警備業法施行規則第38条第4項の表により、教育を行うことが決まっています。

  • 原則:基本教育と業務別教育で20時間以上
  • 最近3年間に同じ区分の警備業務に通算1年以上従事した人:7時間以上
  • 別の区分で通算1年以上従事した人:13時間以上

20時間以上を何日で行うかは、会社が決めます。掲載求人(2026年10月18日時点・503件)では「研修3日間」の記載が237件ありましたが、3日間は法律の定めではありません。

会社の指示で受ける研修は、原則として労働時間にあたります(厚生労働省の労働時間の把握に関するガイドライン・2017年)。最低賃金も適用されます。研修手当の額を書いた232件(すべて求人広告会社経由)の中央値は30,720円でした。研修が無給と書いた求人は2件だけでしたが、研修中の給与について何も書いていない求人もあります。応募前に確認しておくと安心です。

日払い・夜勤など働き方を選びやすい

掲載求人(2026年10月18日時点・503件)の記載では、次のような働き方の選択肢がありました。

  • 日払いできる:429件(85%)
  • 週払い:70件
  • 夜勤あり:390件(78%)

すぐに現金が必要な人、年金と組み合わせて働きたい人、昼間に別の予定がある人など、事情に合わせて選びやすい仕事だと言えます。

深夜(22時〜翌5時)に働いた分には、労働基準法で25%以上の割増賃金が必要です。夜勤の日給が高めに書かれているのは、このルールも理由の一つと考えられます。ただし、日給に深夜割増が含まれているかは求人ごとに違います。

ただし、日払いの申請方法や1回に受け取れる上限などは会社ごとに違います。応募時に次の点を確認すると、入ってからの食い違いを防げます。

  • 日払いを受け取る手順と、いつ振り込まれるか
  • 夜勤の日給と、日勤との違い
  • 週に何日から働けるか

資格で手当と仕事の幅が広がる

警備の仕事には、業務の種類ごとに検定があります。掲載求人(2026年10月18日時点・503件)では、「資格手当」の語がある求人が132件ありました。そのうち額まで書いた70件の内訳は次のとおりです。

  • 500円:52件
  • 1,000円:44件
  • 1,500円:6件
  • 5,000円:1件

1件の求人に複数の額を書いている場合があり、日額か月額かも求人ごとに違います。そのため、「資格を取ればいくら増える」とは一概に言えません。

それでも、続けた経験が手当や任される仕事につながる道があることは、「先が無い仕事」というイメージとは違う点です。なお、検定の合格証明書を持ち、その種別の業務に就く人は、新任教育の時間の定めの対象外になります。最初から資格を目指す必要はありません。まずは現場に慣れることが先です。

夏・冬・天候のきつさの実態

屋外の交通誘導では、暑さ寒さが一番の負担になります。きつい面を隠さず、どう備えるかを具体的に書きます。

夏は暑さと照り返しが一番の負担

夏の現場は、直射日光とアスファルトの照り返しの中で長時間立つことになります。制服とヘルメットを身に着けるため体に熱がこもりやすく、正直に言って楽ではありません。熱中症は誰にでも起こりうるものとして備えてください。

  • のどが渇く前に、こまめに水分と塩分をとる
  • 休憩の取り方と交代の合図を、勤務前に責任者へ確認する
  • 冷却グッズや空調の効いた服を使ってよいかは、会社や現場の決まりに従う
  • 前日はしっかり眠り、朝食をとってから出勤する

めまい・頭痛・吐き気など少しでも異変を感じたら、我慢せずすぐに責任者へ伝えます。持ち場を離れることに気が引けるかもしれませんが、倒れてしまう方が現場にとって大きな危険です。

夏の対策を会社がどこまで用意しているかは、求人票だけでは分からないことが多い項目です。面接で遠慮なく聞いて構いません。

冬は足元と夜の冷え込みがこたえる

冬は、動き回らずに同じ場所に立つ時間が長いため、体の芯から冷えます。特に足元と手先、夜勤の明け方がこたえます。

掲載求人(2026年10月18日時点・503件)で制服の貸与を書いた求人は294件(58%)ありました。ただし、防寒着まで含むかどうかは求人ごとに違います。警備業法第16条で服装が届け出制になっている関係もあり、制服の上に私物の上着を自由に着てよいとは限りません。

次のような工夫が一般的です。使ってよいものは会社の規則で確認してください。

  • 制服の下に保温性のある肌着を重ねる
  • 厚手の靴下を履き、使い捨てカイロを使う
  • 手袋の色や種類の決まりを確認する
  • 温かい飲み物を休憩時に用意する

寒さは慣れでは解決しにくいため、最初の冬は「装備で防ぐ」と考えるのが現実的です。

雨・風の日と夜勤ならではの負担

雨の日も、現場が動いていれば勤務になります。雨具を着ても長時間では体が濡れ、視界が悪くなるため、誘導にはいつも以上の注意が必要です。一方で、工事そのものが中止になり、その日の仕事が無くなる場合もあります。日給制では収入が減る点も覚えておいてください。

強風の日は、看板やコーン、資材が飛ばされないかにも気を配ります。天候が荒れる日の判断は現場の責任者が行うので、自己判断で動かないことが大切です。

夜勤には、日給が高めに書かれている利点があります。ただし、次のような負担もあります。

  • 生活リズムが崩れやすく、昼に眠る工夫が必要
  • 暗い中でドライバーから見えにくく、誘導灯や反射材の扱いが重要
  • 終電後・始発前の移動手段を確保する必要がある

最初は日勤で仕事に慣れ、自分の体調を見てから夜勤を増やす、という順番も選べます。

体力・トイレ・人間関係・年齢の不安

応募前によく気にされる不安について、良い面だけでなくきつい面も含めて整理します。

立ち仕事の体力:慣れるまでは足腰に来る

交通誘導は、重い荷物を運ぶ仕事ではありません。ただ、長時間立ち続けることが基本になります。働き始めの数日から数週間は、足の裏やふくらはぎ、腰に疲れが出やすいのが正直なところです。

体力への不安は、次のような工夫でやわらげられます。

  • クッション性のある、現場の規則に合った靴を選ぶ
  • 勤務後はストレッチや入浴で足をほぐす
  • 最初は週の出勤日数を少なめにし、体の反応を見て増やす
  • 片足に体重をかけ続けず、姿勢をときどき変える(持ち場の範囲で)

現場によって、立つ時間の長さや歩く量は大きく違います。車の出入りが少ない現場もあれば、ずっと誘導が続く現場もあります。どんな現場が多いかは会社ごとに違うため、面接で「初めての人はどんな現場から入ることが多いか」を聞くと、イメージがつかみやすくなります。

トイレと休憩:現場ごとに違うので事前に確認

トイレは、警備の仕事で不安に思う人が多い点です。施設警備なら建物内のトイレを使えますが、交通誘導では現場ごとに事情が違います。工事現場の仮設トイレを使う場合もあれば、近くの施設を利用させてもらう場合もあり、毎回同じではありません。

持ち場を勝手に離れることはできません。トイレに行きたいときは、同じ現場の警備員や責任者に声をかけて交代してもらうのが基本です。1人で配置される現場では、休憩時間の取り方を事前に決めておくことになります。

初日や新しい現場では、次の点を最初に確認しておくと安心です。

  • 使ってよいトイレの場所
  • 交代を頼むときの合図や連絡方法
  • 休憩時間と、休憩をとる場所

確認しにくいと感じるかもしれませんが、多くの人が気にする当たり前の質問です。遠慮せず聞いて構いません。

人間関係とドライバーからの言葉

警備の仕事は、現場ごとに一緒に働く人が変わることがあります。毎日同じ職場で同じ人と顔を合わせる仕事に比べると、人間関係が固定されにくい面があります。人付き合いが苦手な人にとっては、気が楽に感じられる場合もあります。

一方で、きつい面もあります。止められたドライバーや通行人から、強い言葉を向けられる場面があることです。「底辺」という言葉に傷つくのも、こうした場面が多いかもしれません。受け止め方の基本は次のとおりです。

  • 言い返さず、落ち着いて誘導の意図を短く伝える
  • トラブルになりそうなときは、1人で抱えず責任者に引き継ぐ
  • 相手の怒りは自分個人ではなく、状況に向いていると考える

工事関係者との関係も大切です。挨拶や報告をきちんとするだけで、現場の居心地は大きく変わります。

50〜70代で始める場合の判断基準

掲載求人(2026年10月18日時点・503件)では、「シニア可」の記載が347件(69%)ありました。警備員になるのに年齢の上限は法律で決まっておらず、法律の年齢の定めは18歳未満が就けないことだけです。ただし、採用の判断は会社ごとに行われます。

年齢を重ねてから始めるときは、次のような点で自分に合うかを判断すると現実的です。

  • 数時間立ち続けても、翌日に疲れを残さずに済むか
  • 暑さ寒さの中で、体調の変化に自分で気づいて伝えられるか
  • 自宅から現場までの移動(早朝・夜間を含む)に無理が無いか
  • 年金や他の収入と合わせて、週に何日働きたいか

持病がある人は、主治医に立ち仕事や屋外作業について相談しておくと安心です。無理なく続けられる日数から始めることが、結果的に長く働くことにつながります。

求人を探すときは、警備リストで都道府県や、交通誘導・施設警備・夜勤・日払い・シニア・未経験といった条件から絞り込んで探せます。

まとめ

警備員が「底辺」と言われるのは、未経験や年齢不問で入りやすいこと、日給制で給料が大きく上がりにくいこと、立っているだけに見えることが主な理由です。しかし警備業法では、18歳未満は就けないこと、20時間以上の教育を行うこと、服装を届け出ることが定められています。事故を防ぐための責任ある仕事です。

一方で、夏の暑さ、冬の冷え込み、立ち仕事の疲れ、トイレの不便さ、心ない言葉など、きつい面があるのも事実です。大切なのは、評判ではなく「自分が続けられる条件か」で判断することです。研修中の給与、休憩とトイレ、暑さ寒さの対策を応募前に確認してから選んでください。

この記事の数字は、関東と新潟の交通誘導を中心とした掲載求人の記載の集計であり、実際の支給額や全国の相場ではありません。その点を踏まえて参考にしてください。

よくある質問

Q. 警備員は本当に底辺の仕事なのですか?

A. 底辺の仕事ではありません。警備業法第14条で18歳未満は就けないと定められ、警備業法施行規則第38条第4項で原則20時間以上の教育を受けてから働く仕組みになっています。人や車の事故を防ぐ仕事です。入りやすく、日給制で給料が大きく上がりにくいことから、そう言われることがあります。

Q. 研修中は給料が出ないこともありますか?

A. 会社の指示で受ける研修は、原則として労働時間にあたり、最低賃金も適用されます。警備リストに掲載中の求人(2026年10月18日時点・503件)で研修が無給と書いた求人は2件だけでした。ただし、研修中の給与について何も書いていない求人もあるため、応募前に確認してください。

Q. 夏の暑さや冬の寒さはどれくらいきついですか?

A. 屋外の交通誘導では、夏の照り返しや冬の冷え込みの中で長時間立つため、楽ではありません。夏はこまめな水分・塩分補給と休憩の確認、冬は重ね着やカイロで備えます。冷却グッズや防寒着を使ってよいかは会社の規則で違うので、面接で確認しておくと安心です。

Q. 交通誘導の現場でトイレに行けないことはありますか?

A. 持ち場を勝手に離れることはできません。同じ現場の警備員や責任者に声をかけ、交代してもらうのが基本です。仮設トイレや近くの施設など、使える場所は現場ごとに違います。初日や新しい現場では、トイレの場所と交代の頼み方を最初に確認してください。

Q. 60代・70代でも警備員として働けますか?

A. 法律で決まっている年齢の定めは18歳未満が就けないことだけで、上限はありません。掲載求人(2026年10月18日時点・503件)では「シニア可」の記載が347件(69%)ありました。採用は会社ごとの判断です。立ち仕事や暑さ寒さに無理が無いかを考え、少ない日数から始めると続けやすくなります。

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記事中の求人の数字は、警備リストに掲載中の求人の記載を集計したもので、実際の支給額や全国の平均ではありません。法令の内容は記事の公開日時点のものです。